《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
内心から押し寄せる動揺と
不安で、頬が引きつるのを
感じる。




「……お兄ちゃんとは、
どんな話をしたの……?」




やっとの思いでそう
聞くと、珪は目線を
上空に移して、




「兄さんには、オレは
同級生だって言っといた。

話は――別にたいした
ことは話してないけど。


紗耶は学校でうまくやって
るか? とか聞かれた
から、当たり障りなく
答えといたよ」




「そ、それだけ?」




「それだけだよ。

まぁ世間話程度だ」



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