《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
今までそんなことは一度もない。




なのに急に訪ねてきた
珪を、お兄ちゃんが気に
しないわけがない。




同級生って名乗ったに
したって――ううん、そも
そもその嘘をお兄ちゃんは
信じてるんだろうか?




何も話さなくても、
あたしの変化を敏感に
察したお兄ちゃんだ。




もしかしたら、珪がその
根源にいる少年なんだって
ことまで、気づいたんじゃ――?





……やっぱり、考えれば
考えるほどどんどん不安は
大きくなってきて、
あたしは寒気すら感じる
ほどだった。



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