《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
背中を走る寒さを懸命に
押し殺して、あたしは
精一杯普通の声で珪に告げる。
珪はまだ納得のできない顔で、
「ホントかよ?
ったく……こんなんじゃ
オレ、安心して帰れねーじゃん」
そのセリフにあたしは
ピクッと肩を震わせた。
「――帰る……。
そっか――そうだよね……」
どうしてあたしはいつも
そうなんだろう。
珪がこうして目の前に
いると、つい、彼が本当は
遠い所の人なんだって
ことを忘れてしまう。
_
押し殺して、あたしは
精一杯普通の声で珪に告げる。
珪はまだ納得のできない顔で、
「ホントかよ?
ったく……こんなんじゃ
オレ、安心して帰れねーじゃん」
そのセリフにあたしは
ピクッと肩を震わせた。
「――帰る……。
そっか――そうだよね……」
どうしてあたしはいつも
そうなんだろう。
珪がこうして目の前に
いると、つい、彼が本当は
遠い所の人なんだって
ことを忘れてしまう。
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