《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
だけど――そう。

珪は自分の町からあたしに
会いに来てくれたに
すぎない、遠くの人だ。




それに今は2学期の、
ただの日曜日。




珪にだって、明日は学校が
あるはず――…。




「今から帰って、間に合うの?」




『帰らないでほしい』




言いたくてもあたしには
言えないその言葉を飲み
込んで、代わりに尋ねた。




「ん? まぁ、片道3時間
ちょいだからな。

夜中にはなっちまうけど」




「そっか………」



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