《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
“あたしは平気だから、
安心して帰って”


そう伝えるための、
精いっぱいの笑顔で。




珪はほんの少し驚いた
ように目を丸くして、
そんなあたしを見つめる。




「大丈夫なのかよ? 
ホントに……」




ぶっきらぼうだけど、
優しさのにじみ出る声。




だけどその優しさに、
あたしはこれ以上甘えちゃ
いけない。




「ホントに大丈夫。

心配かけてゴメンね。

来てくれて、ありがとう――…」



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