《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
そのための覚悟の時間が
欲しくて――あたしは、
河原を目指して歩いた。




珪と過ごしたあの場所。




そこで途切れることなく
流れる水を見ながら、
考えようと思った。




町外れに到着し、土手の
道を歩き出す。




いつもの辺りで草むらに
降りようと下を覗き込んで
――あたしは息をのんだ。





視界に飛び込んできた、
白いTシャツの背中。


短い髪。


横にチョコンと置かれた、
黒いデイバッグ。




(ウソ………珪……!?)



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