《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
そう言いながら、珪は
尻もちをついたままの
あたしに手を差しのべてくれる。




あたしは少しためらった
けど、そっとその手を
つかんで立ち上がった。




二人して気まずい雰囲気で
突っ立ち、しばらく沈黙が
流れる。




だけどやがて、珪が
大ゲサなほど『あ〜あ』と
大きなため息をついて、
その沈黙を破った。




「結局、二人してサボリかよ。

なかなかの不良生徒だな、
オレら」




そう言って肩をすくめる
くったくのない笑顔に、
思わずつられてあたしの
頬もゆるむ。



_
< 282 / 448 >

この作品をシェア

pagetop