《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
陽が高くなれば木陰に
移動し、お腹がすけば
ジャンケンで負けた方が
コンビニまで買い出しに
行き――…。




本当に、太陽が傾くまで
時間も何もかも忘れて
珪と過ごした。




だけどやがて、オレンジに
染まり始めた世界が、
この時間の終わりを
あたし達に知らせる。





「……そろそろ帰らなきゃ。

珪も、電車の時間ヤバく
なっちゃうよね――?」




その日初めて腕時計を確認
しようとして、あたしは
右手を上げる。




その手を―――珪の手が、
ギュッとつかんだ。



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