《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「……………珪?」
驚いて珪の顔を見ると、
珪はさっきまでの笑顔が
嘘のような真剣な瞳で
あたしを見つめてる。
「ど、どうしたのよ、珪――」
問いかけたあたしの声を
さえぎって、珪は瞳と同じ
冗談っぽさのかけらもない
声で、こう言った。
「――最初に言ったのは、嘘だ」
「え…………?」
(……嘘? なんのこと?)
すぐに理解できない
あたしに、珪は続けて、
「昨日帰らなかったのは
――終電に乗り遅れた
からじゃない。
ホントは……。
ホントは、お前のことが
気になって、帰れなかった」
_
驚いて珪の顔を見ると、
珪はさっきまでの笑顔が
嘘のような真剣な瞳で
あたしを見つめてる。
「ど、どうしたのよ、珪――」
問いかけたあたしの声を
さえぎって、珪は瞳と同じ
冗談っぽさのかけらもない
声で、こう言った。
「――最初に言ったのは、嘘だ」
「え…………?」
(……嘘? なんのこと?)
すぐに理解できない
あたしに、珪は続けて、
「昨日帰らなかったのは
――終電に乗り遅れた
からじゃない。
ホントは……。
ホントは、お前のことが
気になって、帰れなかった」
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