《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
気を取り直して、スクー
ターを再発進させて立ち
去ろうと思った。




だけどその時――

川面から土手をなでる
ように強い風が吹いて、
男の子が隣に置いてた
何枚かの紙をハデに吹き上げる。




舞い上がった紙片を追って
男の子はあわてた様子で
立ち上がった。




紙の何枚かはあたしのいる
方へも飛んでくる。




拾ってあげるべきかどうか
迷ってるうちに、男の子の
方があたしに気づいた。



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