《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
これが珪の本心なんだって
ことは、もうすぐにわかった。




そしてそれを聞いて、
あたしの心は嬉しさと
戸惑いの混ざった複雑な
感情で、激しく揺れるけど……。




「ありがとう、珪。

だけど本当に、もうそんな
心配してくれなくていいから」




あたしはつかまれた腕を
小さく振って、珪の拘束を解く。




珪の眉が、切なげに
キュッとひそめられた。




「なんでだよ……。

大丈夫だなんて嘘だろ?

現に今日だってお前、
学校に行ってねーじゃねーか」



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