《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「……そう……なんだ……」




珪の口ぶりからすると、
あたし達の秘密は何も
知らないみたいだ。


知ってたら、とてもこんな
ことは言ってくれないだろう。




でも――珪の言った
『大事に』って言葉が、
胸に痛い。




あたしは今、お兄ちゃんに
大事にされてるんだろうか。




必要とされてるのも、
狂おしいくらい求められ
てるのもわかってる。




だけどそれがどんな愛情
なのか――


そんなことはもう何年も
前に、わからなくなってるから。



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