《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「違うのか、紗耶?

お前は――幸せなんじゃ、
ないのか――…?」




「珪―――…!!」




それは、なんて残酷な
質問なんだろう。




その質問に答えることは――

あたしにはできないよ、珪。




だってもしそれを考えたら。




……あたしはもう、
あの家にはいれなくなる。




あたしの居場所は、なくなる。




「……許され……ないん
だよ……」




わなわなと震える声が
ノドの奥からもれた。



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