《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
『えっ?』と、珪が小さく
叫んで聞き返してくる。




だけどあたしは、もはや
珪に伝えようとしてるのか
どうかもわからない要領を
得ない言葉で、




「どれだけ逃げたいと
思ったって……ダメなの。

やっぱりそんなことは、
許されないんだよ。


答えなんて考えちゃダメ。

幸せなのかどうかなんて、
あたしには―――…!!」




「紗耶っ!? 何言ってんだよ!?」




ガシッと、力強い両腕が
あたしの肩をつかんだ。



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