《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
我を忘れかけてたあたしの
目の前に、真剣な珪の顔が迫る。




「許されないとか逃げたい
とか、一体なんなんだよ?

本当に……何か抱えてる
ことがあるなら、話してくれ。


オレ、お前には幸せでいて
ほしいんだよ!

オレで助けになれるなら、
なんだってしてやるから――!」




必死なまでの、懇願と
言ってもいいくらいの
言葉だった。




(珪が――あたしの助けに?)




彼の言葉に引き込まれる
ように、一瞬だけ淡い
期待に似た感情がよぎる。



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