《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
だけどすぐに、そんなのは
はかない夢だともう一人の
あたしが打ち消した。




(誰にも……珪にだって、
どうしようもない。

助けるなんて、できっこ
ない――)




そもそも、もし真実を
誰かに知られるのだと
しても、珪にだけは知られ
たくない。




あたしが普通じゃなくて
こんなにも罪に汚れてる
人間なんだってことを。




珪にだからこそ、絶対に
知られたくないんだ。




珪と過ごした時間は、
あたしにとってかけがえの
ないもの。



_
< 300 / 448 >

この作品をシェア

pagetop