《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
珪といる時だけはあたしは
自由でいられたから……

珪の記憶の中でも、そんな
女の子として生き続けたい。




お互いの記憶の中で、
楽しかった綺麗な想い出
として、残しておきたい――…。




「――これだけは言える。

珪と過ごした時間は、
本当に楽しくて……
あたしは、幸せだったよ」




一言一言噛み締めるように
そう伝えると、珪は悲し
そうに眉をひそめた。




「オレと過ごした、って……。

そうじゃないだろ。

オレが言ってるのは――…」



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