《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
お皿が割れる音が耳に届く。




だけどあたしは、それを
目で確認することは
できなかった。




……あたしを射抜くような
お兄ちゃんの瞳から、目が
そらせなくて。




「……お、お兄ちゃん……
何を……」




「――川原に、行ってたのか?」




「……………!!」




恐怖に近い衝撃が体を走る。




(どうして……。

どうしてわかるの……!?)




制服についた草も土埃も、
全部丁寧に払った。




時間も下校時間と同じ
くらいで、別に全然
不自然じゃない。



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