《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
きっと本当は……匂い
なんかじゃない感覚的な
何かで、あたしの微妙な
違いに気づくのかもしれない。



ずっとずっとあたしと
一緒にいた、お兄ちゃんだから。




(だけどもう――今さら
どっちだって、同じことか――)




お兄ちゃんのそれは、憶測
なんかじゃなくて確信だ。




今さらごまかしたって、
通用するはずもない……。




「昨日の彼は――紗耶に
とってそんなに、魅力的
なのかい?」




「お兄ちゃん――…」



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