《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
あぁ――やっぱり気づいて
たんだね。



珪が、あたしが川原で
会ってた相手だってこと。




不思議とこれには
驚きがなかった。




むしろ、心のどこかでは
そんな予感がしてたから。




「お兄ちゃん、あたし……」




何を言おうとしてたのかも
わからない。




だけど結局、その先は
言えることなく途切れて
しまった。




お兄ちゃんが、あたしの
制服のシャツの胸元に手を
かけて――ボタンごと
乱暴に、引き裂いたから。



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