《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
それは予想してたとおり、
スケッチブックから破り
とられたもので、どれも
描きかけのデッサンだった。


ざっくり川のラインが
描かれてるだけで、まだ
絵とは言いがたい。




「……。

まさかボツのじゃないで
しょうね……」




大事そうに追いかけてる
から手伝ってるのに、
それだったらちょっと
拍子抜けだ。




疑問に思いつつも、
あたしは手近なのを全部
拾ってから顔をあげた。




見ると、男の子も拾い
終ったようで、笑顔で
あたしに手を振ってる。



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