《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
だけどお兄ちゃんは
まるで何かに魅入られた
みたいに、ただ夢中で
あたしの体をむさぼりながら、
「紗耶があいつのところに
行ってしまったら、僕は
なんのために今までずっと
紗耶を繋ぎ止めてきたんだ?
他人の僕が、紗耶の兄で
いるために。
決して離れないでいい
ように――お前の信頼を
失ってまで、必死で繋いで
きたのに――…!!」
(何………?
何を言ってるの、
お兄ちゃん……?)
お兄ちゃんのその声は
悲痛で、例えようもない
深い悲しみに満ちてて。
_
まるで何かに魅入られた
みたいに、ただ夢中で
あたしの体をむさぼりながら、
「紗耶があいつのところに
行ってしまったら、僕は
なんのために今までずっと
紗耶を繋ぎ止めてきたんだ?
他人の僕が、紗耶の兄で
いるために。
決して離れないでいい
ように――お前の信頼を
失ってまで、必死で繋いで
きたのに――…!!」
(何………?
何を言ってるの、
お兄ちゃん……?)
お兄ちゃんのその声は
悲痛で、例えようもない
深い悲しみに満ちてて。
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