《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
あのキスの瞬間の驚きと
高揚が、ハッキリと体に
よみがえってきた。




あの時感じた、突然の
キスに驚愕するだけでは
ない、抑えがたい衝動を……。




「バカヤロ……何考え
てんだ、オレ――…!」




そんなものは気の迷いだ、
と、珪は必死に胸にともる
熱さを振り払う。




「んなこと考えてる場合
じゃないだろ!

今は――今は、あいつを――!」




なんとかして、自分が
紗耶を救わなければ。




珪はまるで使命のように、
そう思っていた。



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