《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「け………珪………!?」




心臓が氷の手でわし掴みに
されたような冷たさが、
一瞬にしてあたしの体を
凍りつかせる。




(ウ……ソ……。

なんで、珪がここに――…!?)




思考もうまく働かなくて、
あたしは呆然と珪の顔を
見てることしかできなかった。




だけどその珪の姿が、急に
視界から消える。




お兄ちゃんがゆっくりと
体を起こしてあたしの
視界を遮るように立った
からだと、一拍遅れて気づいた。




「キミは――また、こんな
所まで来たのか――…」



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