《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「……珪っ、やめて……!!」




珪がさらにお兄ちゃんに
つかみかかろうとしてる
のを見て、とっさにそう叫ぶ。




はだけたシャツだけを
両手で掻き合わせて、
あたしは珪を止めるように
お兄ちゃんと珪の間に入った。




珪はこの上ない驚きに目を
真ん丸に見開きながら、




「な、なんでかばうんだよ!?

こいつは……こいつは
お前を――…!!」




珪の怒りは当然なんだろう。




それに、珪はあたしを
助けてくれたのかもしれない。


それは頭の片隅で理解してた。



_
< 332 / 448 >

この作品をシェア

pagetop