《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
だけどこれは、そんな理屈
なんかじゃ説明できない感情。




たった今まで、あたしを
ムリヤリ犯そうとしてた
相手でも。




それでも、条件反射の
ように守ろうとせずには
いられない。




だって、お兄ちゃんだから。




家族が傷つけられる姿を
黙って見てることなんて
……できない。




「ゴメン……珪は悪くない。

だけど、やめて。

お兄ちゃんを、殴らないで……」




嗚咽混じりのあたしの
声だけが、ダイニングに
シンと響き渡った。



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