《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
時間が止まってしまった
かのような沈黙。




どれくらいの時間が
流れたのかわからない。




だけどやがて静かにその
沈黙を破ったのは、珪の
囁くようにかすかな声だった。




「どういう……ことなんだよ。

お前ら……“仲のいい
兄妹”じゃ、なかったのか?

なんで――なんで、
こんな……!!」




(珪…………!)




珪の悲痛な表情が、
あたしの心臓に無数の
ガラスの破片のように刺さる。




――何年も、誰にも知られ
ないようにしてきた秘密。



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