《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
だけど、本当に珪には――…


たとえ世間にバレたと
しても、珪にだけは
知られたくなかった。




珪には、あたしは“幸せな
女の子”のままで覚えて
いてほしかった。




だけどそんなささやかな
望みも――今、あたしの
目の前でもろく崩れてく。




「“仲がいい”なんて――。

そんな安っぽい言葉で
僕達のことを言うのは、
やめてくれ――…」




突然背後から響いた声に
あたしはハッと振り返る。




お兄ちゃんが血のにじむ
唇を手の甲で拭いながら、
ユラリと立ち上がってた。



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