《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
もう一度襟を掻き合わそう
とするけど、お兄ちゃんの
手が無情にそれを阻む。




お兄ちゃんはあらわに
なった鎖骨や胸元を強調
するように、背中を押して
あたしに胸を張るような
姿勢をとらせて、




「見えるだろう?

今に始まったことじゃ
ないんだよ」




「お兄ちゃんっ、やめてっ!」




さらされた肌には……
お兄ちゃんがつけた
シルシがある。




お兄ちゃんの言う通り、
新しいのだけじゃなく
古いものも。




色の沈み具合で、珪にも
それは一目瞭然だろう。



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