《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「違うのよ……珪……。

お兄ちゃん……!」




あたしはただ、唯一の
自分の居場所を守りたい
だけだった。




美しくて愛しい想い出を、
壊したくないだけだった。




それ以上何も求めない。




お兄ちゃんと兄妹として
食卓を囲む時間があって。




珪とは、お互いの記憶の
中で輝いていられれば
それでよかった。




――たったそれだけだった
のに――どうして現実は
こんなにも、残酷なの――…?






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