《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「くっ………!」




あたしは外に出るドアに
駆け寄ろうとした。




でもそれより一足速く
宮原さんが動き、行く手を
遮るように回り込んでくる。




「逃げないで下さいよぉ。

あたしが“いなくなれば”
って言ってるの、今だけ
とかそんなんじゃないです
からねー?」




今さら敬語に戻ってクス
クス笑う声が、一気に
あたしの悪寒をあおる。




(どうしよう……どうしよう!

彼女、本当に………!!)




『何をするかわからない』




そう思ったのと、同時だった。



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