《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
彼女が――スカートの
ポケットから、鈍く光る
“それ”を、取り出したのは。




「…………!!

ダメ――お願い、やめて……!」




宮原さんが取り出した、
彼女の手より一回り大きな物。




それは太い持ち手が銀色に
光る、カッターナイフだった。




あたしが学校で使うような
細い形じゃない。




分厚いダンボールなんかを
切る時に使うような、
太い刃を備えた物で――。





――あれで刺されたら、
あたしは死ぬ。





足元から一瞬にして駆け
登る恐怖で、気が遠く
なりそうになった。



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