《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
ユラリと動いた宮原さんの影。




後ずさり――でもそれ以上
何もできず、凍りつくあたし。




蛍光灯の光にキラリと光る
銀の刃。




そして同じく、至近距離で
狂気の色にキラリと光る、
宮原さんの瞳――……。






もう、ダメだ。






あたしは衝撃を覚悟して、
かたく目を閉じた。




世界が黒一色に染まる。




願わくばこのまま何の
痛みも感じず、世界が
終わることを祈った。




(ゴメンね……お兄ちゃん……)




何に対する謝罪なのか
わからない。



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