《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
恐怖におののくあたしを、
刃は確実にとらえる……
そんな距離に違いなかった
のに――…?




「え……ウソ……?」




暗い世界に最初に届いた
のは、宮原さんの声だった。




あたしは思い切って目を開けた。




だけど、何も見えない。




目を開ける前と同じく、
なぜかあたしの視界は
黒一色だった。






―――だけど。




あたしは気づく。




あたしの視界を黒く
覆ってたその壁がグラリと
揺れ……前のめりになり
ながら床に崩れた時に、
ようやく……。



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