《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「お兄ちゃんっ! 
お兄ちゃんっ!!」




夢中で叫びながら床に
ひざまづき、お兄ちゃんの
顔を見ようと崩れる体を
抱き起こそうとした。




だけどそんなあたしの目に
真っ先に飛び込んできた
のは、紅いモノに濡れる
お兄ちゃんの膝や太もも――。




「ど、どうして……?

直杜さん、パパの睡眠薬で
ぐっすり眠ってた
はずじゃ……?」




ワナワナと震える声に
あたしは顔をあげる。




宮原さんが呆然とした顔で
こっちを見下ろしてた。




その手も握ったカッターも
真っ赤に染まってる。



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