《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「この程度の薬じゃ……

僕にはそれほど効かないん
だよ、愛未ちゃん……」




声に視線を戻す。




お兄ちゃんは刺された
脇腹を押さえて膝立ちに
立ち上がろうとしてた。




「お兄ちゃんっ、ダメッ!

動かないで!!」




よくわからないけど、
こんな状態で立ったりして
いいわけない。




あたしはお兄ちゃんの体を
押さえた。




でもお兄ちゃんはその手を
拒むように片手をあげて、




「紗耶は……紗耶は、僕が守る」




「おに――……」




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