《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
あぁ………


この人は、こんなになって
までもあたしを守ろうと
してるんだ。




そう気づいた時、熱い涙が
せきを切ったようにあふれ
出した。




薬を盛られた体で必死で
駆けつけ、あたしをかばう
ために自らの身を投げ出し。





そうしてこんなに深い傷を
負ってもまだ、あたしを
守ろうと――…。






「もういい……お兄ちゃん……」




あたしは両手を広げ――


力を振り絞るお兄ちゃんの
体を包むように、正面から
抱きしめた。



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