《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
そうすると、あたしは
宮原さんに完全に背中を
見せる状態になる。
けどもう、そんなの
どうでもいいと思った。
こんな結末を、あたしは
望んでなんかいない。
お兄ちゃんが傷を負って、
あたしだけが無傷で助かる
なんて――そんなのは、
いらない。
「どけ、紗耶……!
危な……!!」
「いいの!
お願いお兄ちゃん、
しゃべらないで――!!」
お兄ちゃんが声を振り絞る
度、片手で押さえた脇腹に
紅い染みが広がってくのが
見える。
「お兄ちゃんが……、
お兄ちゃんが、死んじゃう
よ――…!!」
_
宮原さんに完全に背中を
見せる状態になる。
けどもう、そんなの
どうでもいいと思った。
こんな結末を、あたしは
望んでなんかいない。
お兄ちゃんが傷を負って、
あたしだけが無傷で助かる
なんて――そんなのは、
いらない。
「どけ、紗耶……!
危な……!!」
「いいの!
お願いお兄ちゃん、
しゃべらないで――!!」
お兄ちゃんが声を振り絞る
度、片手で押さえた脇腹に
紅い染みが広がってくのが
見える。
「お兄ちゃんが……、
お兄ちゃんが、死んじゃう
よ――…!!」
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