《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
そしてあたしに向かって、




「紗耶っ、
兄さん上向かせて横にしろっ」




「……………っ!」




その激しい怒鳴り声に、
あたしは反射的に指示に
従ってお兄ちゃんの体を
床に横たえた。




珪が宮原さんを引っ張って
ダイニングのイスに
座らせ、携帯で電話を始める。



救急車を呼んでるみたいだった。




「また……あいつか……」




横になってもまだ苦痛に
顔をゆがめ荒い呼吸の
お兄ちゃんが、途切れ
途切れに言う。




「僕が……。

僕だけでも、絶対に紗耶を
守るのに……」



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