《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
血なんて繋がってなくても。

あたし達はこんなにも、
家族なんだ。




(お願いだよお兄ちゃん。

戻ってきて。

あたしとママを置いて、
遠くになんかいかないで……!)




白いシーツから覗いた手を
ギュッと握り締めて、
あたしは心の中で必死に
お兄ちゃんに呼びかける。




と、それに反応するように
お兄ちゃんの指先が
ピクッと動いた気がした。




「―――――!?」




最初、ただの握られた
反動かと思う。




だから握る力を弱めて、
お兄ちゃんの指の反応を
食い入るように見つめた。



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