《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
…………ピクン、ピクン、と。




やっぱり震えるように
かすかにだけど、細い
指先が動いてる――…!!




「直杜っ!? 直杜っ!!?」




あたしが声をあげるより
一瞬早く、ママが叫んだ。



ママが見てたお兄ちゃんの
顔にも、何か変化が
あったに違いない。





あたし達はすぐに先生を呼んだ。




お医者さんと看護師さんが
あわてた様子で何人も
やって来て、あたし達は
いったん廊下に出るように
言われる。




珪とママと3人で寄り添う
ようにして、病室の物音に
耳を澄ませて30分以上も待った。



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