《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
(お兄ちゃんが……
あたしに……!?)




「いざという時のために
どうしてもということ
なので、10分だけなら
許可すると伝えました。

どうしますか……?」




返事を求めて問いかけ
られるけど、あたしは
すぐに返事ができなかった。




話をしたくないんじゃない。




でも、怖かった。




『いざという時』なんて
言われて――もし本当に、
その10分が最後の時間に
なったらと思うと……。




「……行ってこい、紗耶」




そうあたしの肩を
押したのは、珪。



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