《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「大丈夫だよ、紗耶。

紗耶は強い。

本当は……子供の頃から、
弱かったのは僕の方なんだ。

寂しくて怯えてたのは、
いつだって僕だった……」




「……え? 何言ってんの?

弱かったのはあたしでしょ?

だからいつもお兄ちゃんの
後ろにいて、いじめっ子
からも助けてもらって」




甘えてばかりの泣き虫な妹。




あたしは本当に、
そんな子だった。




だけどお兄ちゃんは
かすかに首を横に振って、




「違うよ。

紗耶は強い。

たしかに昔は甘えんぼ
だったけど……今なら
もう、紗耶だけでも
生きていける」



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