《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「やめてよ!

そんなセリフ聞きたくない」




『紗耶だけでも生きて
いける』なんて。




そんな現実、考えたくもない。




「これからもずっと
一緒だよ、お兄ちゃん。

お兄ちゃんとママと
あたしと、あの家で。

今までも、みんなで仲よく
暮らしてきたじゃない。

あたし達、たった3人の
家族なんだから……!」




涙混じりに話すあたしに、
お兄ちゃんがフッと優しく
ほほ笑んだように見えた。




「家族……そうだな。

僕にそういう居場所を
くれたのは、他でもない
紗耶なのに――…」



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