《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
不思議な感覚だった。




お兄ちゃんがこんなふうに
あたしにしてきたことを
謝ってくれる日が来る
なんて、思ってもなかった。




だけど――…。




これであたし達は、
“本当に仲のいい兄妹”に
戻れるのかもしれない。




幼かった頃、夕焼けの
川原で追いかけっこした……


まだ何の秘密も持って
なくて、ただただ純粋
だったあの頃に――……。




「もう……いいよ。謝らないで。

あたし、お兄ちゃんが
大好きだよ。

昔も、今も」




「紗耶――……」



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