《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「だから、早く元気に
なって帰ってきて。

あの家で……今までどおり
ママと3人で、仲よく暮らそ?」




目頭の涙を拭いながら
言うと、お兄ちゃんも
ほんの少し首を動かして
頷いてくれたように見えた。




「そう……だな。

今までどおり、3人で……。

僕達、家族で――…」





その時病室のドアがノック
されて、さっきのお医者
さんの声が聞こえてきた。




「そろそろ10分です。

体に障るので、これ以上は――」




声に反応してお兄ちゃんを
見ると、無言だけれど
どこか名残惜しそうな顔を
してる。



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