《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
でもお兄ちゃんの体が
最優先だと思い、『また
いくらでも話せるよ』と
囁いて、あたしは廊下の
向こうに呼びかけた。




「大丈夫です、どうぞ」




ドアが開き、主治医の
先生とママ、そして珪が
静かに入ってくる。




「これ以降はまたこちらで
検査や処置を行うので、
しばらく面会はできません。

ご挨拶だけでもどうぞ」




その言葉にママが待ち
かねたようにベッドに
寄り、お兄ちゃんの顔を
覗き込んだ。




「直杜――…!」




「母さん……心配かけて
ゴメンね。

本当に、ゴメン」



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