《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「何言ってるの!

よかった……意識が
戻って、本当に……!」




すでに涙でグチャグチャの
ハンカチを再び目に当て、
ママは嗚咽を堪えてる。




「母さんまでそんなに
泣いてたのかい?

イヤだな、みんなして……」




「当たり前でしょう。

息子を心配しない親が
どこにいるの!」




ママの即答にお兄ちゃんは
何も答えなかった。




でもその顔は、満たされた
ようにほほ笑んでる。


あたしにはそう見えた。




しばらくママを見つめてた
お兄ちゃんの視線が、
今度はその隣に立つ珪を見る。



_
< 390 / 448 >

この作品をシェア

pagetop