《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
視線にハッと反応した珪に
お兄ちゃんは穏やかな声で、




「キミには……色々世話を
かけて、すまなかったね」




「――別に、そんな。

やるべきことを
やっただけですよ」




照れているのか恐縮してる
のか、珪にしては歯切れの
悪い返事だった。




そんな珪にお兄ちゃんは続けて、




「それにキミとは、
ちゃんとした挨拶もまだだった。

楠名クン、だよね――?」




「え―――…!?」




なぜだか珪は、ものすごく
驚いたようにお兄ちゃんを
凝視してる。



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