《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
バッと駆け出して勢いよく
ダイニングのドアを開ける。




(やっぱり………!)




そこにいたのは、ママと
――…珪だった。




「珪……どうして……!?」




はからずも関係者となった
珪は、お兄ちゃんのお葬式
までこっちに滞在してた。




だけどあたしが泣き
くれてる間にいつの間にか
いなくなってて、それ以来
電話することも一度もなかった。




「久しぶりだな、紗耶」




久々に聞く珪の声。




色の黒い肌は相変わらず
だけど、真夏のあの日より
ほんの少し髪が伸びてる。



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